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出演:ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・サヴェージ、メリル・ストリープ 他 原題:「THE DEER HUNTER」 ペンシルヴァニアの田舎町。マイケル(R.デ・ニーロ)たちは仲間のスティーブ(J.サヴェージ)の結婚に大騒ぎしたり、仲間で鹿を狩るなど自由に暮らしていたのだがベトナム戦争に出兵しそれは一変する。戦争中の死と隣り合わせの状況、悲惨な光景、そしてロシアンルーレットの恐怖はニック(C.ウォーケン)らの精神と肉体に戦争から帰ってきた後も傷跡を残した。 この映画は完全にC.ウォーケンのモノである。 正直前半ののどかな田舎の幸せのシーンは退屈である。いらないシーンが多くある気がする。しかし戦争のシーンや戦争後のシーンとの対比のためにはなくてはならないのだろう。そのギャップを映し出すためには。しかし長いのだ。そして突然切り替わる戦争のシーンはなかなか緊迫感がある。とくにロシアンルーレットのところはおもしろい。肉体よりも精神を削られてゆく若者たちを痛烈に映し出している。 そして帰還後、若者たちには変化が起きている。鹿を撃ち取れなくなっているマイケルや家に帰れないスティーブ、そしてニック。戦争では人を殺す。人が死んでゆくのを目にする。武器を持った強者が弱者を殺すのだ。それはまるで人間が鹿を狩るがごとく。鹿を殺すことに罪悪感などまるでなく、むしろ趣味であった彼らだが人間の命を奪うことにはやはり耐えられないのだ。これは感情を持つ人間だからしょうがないのだ。その罪悪感からくる精神的ショックでニックは壊れてしまう。 自分のしてきたものを精算したい、ニックはそんな気持ちだったのではないか。ひどいことをしてしまった、故郷には帰れない、自分だけが助かった、仲間に申し訳ない。ロシアンルーレットで命を張り、金を送るニック。最後のほうに満を持して再び出てくるC.ウォーケンにはただならぬものを感じる。最期は友達を思い出したのであろうか、最期の表情や数少ない言葉はなかなか強烈に頭に残る。これは助演男優賞は頷ける。R.デ・ニーロより完全にC.ウォーケンなのだ、この映画は。 このクライマックスのロシアンルーレットは見ていてなかなか辛い。あんなに楽しかった日々なのに皆斜め下を向いて顔をあげることができないラストは非常に悲しい。 ベトナム戦争自体をよく知らないのだが関係なかった。ベトナム戦争を描くアメリカ映画だから、という先入観で映画を捉えるのはおかしい。そんな気はないかもしれないのに色々なシーンでおかしな方向に捉えられてしまう。俺はあまり知らないからこそ深読みすることなく楽しめた。それでよいのだと思う。 しかしまぁ、ウォーケンはよかったけど全体として普通の映画だった。やっぱり長いよ、ちょっと。 監督:ジェームズ・フォーリー出演:エドワード・バーンズ、レイチェル・ワイズ、ダスティン・ホフマン、アンディ・ガルシア、ポール・ジアマッティ、フランキー・G 他 原題:「CONFIDENCE」 ある日、ジェイク(E.バーンズ)は仲間のゴードー(P.ジアマッティ)、マイルズ(ブライアン・ヴァン・ホルト)らと共にライオネルという男を巧みに騙し、金をせしめた。ところが、間もなく仲間の一人が遺体で発見される。これには一つの大きな誤算があった。その金の出所が、なんと暗黒街の大物、キング(D.ホフマン)と判明したのだ。窮地に陥ったジェイクは熟考の末、自らキングのもとに出向き和解を申し出る。しかし、キングはジェイクの詐欺師としての腕を認めながら、逆に、銀行家モーガン・プライス(ロバート・フォスター)相手に500万ドルという大金の詐欺を実行するよう命じ、見張り役として手下のルーパス(F.G)を送り込むのだった。 期待してなかったわりにはおもしろく楽しめた。詐欺師モノなのでこちらを騙してくれないとつまらないわけだけど驚きはなかったけどちゃんと騙された、というか予想した結末と違った。目新しいものは何もなく別に見なくてもよかったがまぁ97分の映画でそれなりに楽しめたのでよしとしよう。 出演者がなかなか豪華である。R.ワイズ、P.ジアマッティ、D.ホフマン、A.ガルシアである。別にそんなに豪華じゃなくてもいいのではないか、と思う映画なのだが。D.ホフマンのボス役はなかなか変でおもしろいのだがあれだけキレたら凄いと言っておいてキレるシーンがないのは如何なものかと思う。 ただP.ジアマッティを見たくて借りた映画でした。また来週~、じゃあね~。 監督:デヴィッド・リンチ 出演:カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン 他 原題:「BLUE VELVET」 ノース・キャロライナ州ランバートン。のどかな田舎町。よく晴れた日、大学生のジェフリー(K.マクラクラン)は、庭仕事をしていて突然異常な発作に襲われた父を見舞った病院からの帰り道、野原で異様な物を見つけた。手に取ってみると、それは何と切り落とされた人間の片耳だった。彼は警察に耳を届けるのだが独自に捜査を始めるのだった。 D.リンチの映画は「ストレイト・ストーリー」しかみたことがなくてしかもそれは最もリンチっぽくない映画であり、しかもそれがあんまりおもしろくなかったのでリンチは遠ざけていたのだが「バートン・フィンク」を見てパルプノワールってのもおもしろいんじゃないか、と思い借りてみた。 どうしようもない映画である。不快なシーンだらけだ。最初の父親倒れる、犬のスローモーション、虫の争いのアップ、耳を拾うまでによく意味の分からないシーンもあった。こんなのどかな田舎でも虫が争うように人間も醜く生きている、とでも言いたいのだろうか。 これがリンチワールドなのだろうか。 印象的なのは突然現れる全裸のI.ロッセリーニ。ふらふら~と現れるのだ。あれは異様だ。気持ち悪い。まぁ狂ったD.ホッパーもだいぶ気持ち悪いが。 常に官能であり、暴力的であり、おかしな雰囲気が蔓延していた。人間の世界ってのはおかしなもんだ。不快指数は気にせずに他のリンチ映画も見てみようと思う。いや、見ない。 監督:ジョエル・コーエン 出演:ジョン・タートゥーロ、ジョン・グッドマン、ジュディ・デイヴィス、スティーブ・ブシェミ 他 原題:「BARTON FINK」 1941年のニューヨーク。社会派劇作家のバートン・フィンク(J.タートゥーロ)は、ハリウッドに招かれて映画のシナリオを依頼された。早速ホテルにチェック・インしたが、そこは薄暗く、不気味な雰囲気が漂っていた。とりあえず部屋に入った彼だったが…。 コーエン兄弟らしからぬ映画であった。会話のテンポのよさや馬鹿馬鹿しいテーマで笑わせてくるコーエン兄弟なはずなのにそんなシーンはなく、淡々と、謎めいた匂いを残しながらただ進んでゆく。唯一らしさを感じたのはシナリオの内容がレスリング物であること。どんな映画だ。 しかしそんなちょっとコーエン兄弟にしては異種的映画なのだが内容はやはりおもしろい。強烈なクライマックスの後、あれ、いったいどういうことだ?という感覚を残してエンドロールが流れ出す。バートン・フィンクの周りで起きた様々なことは現実なのだろうか?絵に描かれていたのと全く同じシーンが最後に映し出されたときそう思わざるをえない。夢の中のような世界がこれまで画面に映し出されていたのではないだろうか、と。 俺もよく分からなくていろいろネットでこの映画について調べてみたのだが様々な解釈がある。作家の苦悩が見せた幻想である、という解釈があるのだがそうかもしれない。女を殺したのも刑事を殺したのも自分なのかもれない。隣のデブ(J.グッドマン)なんてやつは本当にいたのか?なぜ電話はつながらない。箱の中身は…?書きあがったシナリオの中身が頭の中でのレスリングの話だったことも合わせて考えるとこの映画はもっと奥があるかもしれない。火の海の中でデブが言った恐怖のセリフ、そして箱の中身はお前のものだった、と告げて出てゆくデブ。スティーブ・ブシェミ。 いろいろ考えると混乱しか招かない。そう混乱させることが狙いなのかもしれないが、とにかくこの映画はおもしろかった。まぁ深く考えないでまっすぐ捉えるべきだろうな。でないとこの映画は身も凍るような恐ろしい映画ということになる。 監督:ジョン・メイバリー 出演:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ、クリス・クリストファーソン、ジェニファー・ジェイソン・リー 他 原題:「THE JACKET」 1992年、湾岸戦争で重傷を負ったジャック(A.ブロディ)は、その後遺症で記憶障害を抱えていた。ある日ヒッチハイクの旅に出た彼は、車の故障で立ち往生している母子に出会う。酔いつぶれた母親に代わり車を修理し、少女ジャッキーに自分の“認識票”をプレゼントするジャック。その後若い男(ブラッド・レンフロー)の車に同乗させてもらった彼は、途中で事件に巻き込まれ、意識を失ってしまう。目を覚ましたジャックは警官殺しの罪で逮捕され、精神病院へと送られる。彼はベッカー医師による矯正治療を受けることになり、拘束衣(ジャケット)を着せられ狭い引き出し棚に閉じ込められてしまう。暗闇の中で意識を失うジャック。そして意識を取り戻した時、彼は15年後の2007年にタイムスリップしていた。やがて彼はそこで美しいウェイトレス(K.ナイトレイ)と出会うのだが…。 なにやら気持ちの悪い緑色の光が飛び交う映像で幕を開けるこの映画、そのオープニングが示すように気味の悪いストーリーが展開されてゆく。引き出し棚の中でタイムスリップするときは非常に暑苦しくて画面いっぱいの瞳に気持ち悪さを感じずにはいられない。目が結構フューチャーされた映像が多いのだが、なるほどよいキャスティングで目に説得力のあるA.ブロディが主演である。 この男、目、眉、鼻が正気の沙汰ではない。おかげで非常に表情が豊かだ。苦しそうな表情はほんとに苦しそうだし涙があふれそうな表情などは芸術もんだろう。眉のおかげで他人のことを思いやるような同情的な表情をさせると右に出るものはいないのでないか。 で、この映画なのだがなかなかいいのだ。12月、1月の話なので雪の映像が多い。気持ちの悪い映像の後に雪だったりするので非常にすっきりした感覚になる。またタイムスリップという不思議感と雪景色がなかなかマッチしていてこの映画の独特の世界観を作り出すことに成功している。話も単純であるがゆえおもしろい。気持ち悪い映画であるがゆえハッピーエンドであることが反動ですごく心地よい。 しかし大ヒットするような映画になるには何か足りない。似たような映画で「バタフライ・エフェクト」もそうだが何かあればもっとおもしろい気がする。俺にとっては平均点以上の楽しめる映画だったが少し間違えると「ソウ」とかそっちの方向に行ってしまうような危うい映画だ。 「人間は死を意識して始めて生を意識する」みたいなセリフが頭に残った。目と眉と鼻の男が泣きそうな顔でそれを伝えてくる。それと同じくらい頭に残ったのはK.ナイトレイが太っていたことだ…。 PR
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